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暑中お見舞い申し上げます
この数日、日本は猛暑に襲われているとか。 昨日は都内で75人が熱中症で病院に運ばれたということです。最低気温も30度を超えていたということで、寝苦しい夜に寝不足の方も多いのでしょうね。 皆さんお体に気をつけて、夏を乗り切ってくださいね。

熱中症といえば、鮮明に蘇る一つの記憶があります。
以前にも書きましたが1996年から2000年の初めまで、私はインドのニューデリーで暮らしていました。ニューデリーでは3月半ばのホーリーというお祭りを過ぎると1日1度気温が上がると言われるくらいどんどん気温が上がり、4月末には40度を超えることもあります。その後7月初めにモンスーンシーズンが始まるまで、延々と40度超の日が続くのですが、暑さが一番堪えるのはやはり暑くなりたての4月。

インドでは中流以上の家には使用人が何人かいます。 我が家にも家事全般をする住み込みのメイド、車の運転手(会社で雇っている)、門番(現地では「チョキダール」と呼ぶ)が常駐、それ以外にも通いの庭師、外を掃除するおばちゃんと、いつもいろいろな人が出入りしていました。
ある4月の暑い朝のこと、家にいると玄関の呼び鈴の音。訪問者はチョキダールが確認し、必要であれば私を呼びます。 しばらくするとまた呼び鈴。窓から覗くと門の外に見覚えのないインド人が3人くらい立っています。 普段外で待機している運転手は会社の用事で外出中、メイドは二階で掃除中でどうも呼び鈴が聞こえない様子。 「チョキダールは何をしてるんだろう?」と思いつつ玄関を開け、ドライブウェイを見ると何とチョキダールが寝転がっています。「何やってるの!!」とちょっと怒って「チョキダー~ル!!」と私が叫ぶと微かに首を私の方に向けるものの立ち上がろうとする素振りすら見せません。 なんかヘンだ!!どうも彼がひっくり返っているのを通りすがりの人が見て呼び鈴を鳴らして知らせてくれたようです。チョキダールに声をかけても彼は英語がわからないので虚ろな目で私をチラッと見るだけで、なぜ彼が転げているのか全く見当がつきません。 
あわててメイドを呼び彼女がチョキダールに声をかけて言うには「朝ごはんを食べていないから、おなかが空いて動けないみたい」。 それにしてはあまりにも見事に大の字になってひっくり返っています。
どうしたらいいのかわからずオロオロしているところに、運良くドライバーが帰ってきて、チョキダールの様子を見るなりメイドに水を持ってくるように指示しました。 飲料水を持っていくと、そうではなくバケツでいいからたくさんの水を持って来いと言い、チョキダールの頭からザバザバと水をかけ始めました。 熱中症だったのです。
とにかく日陰まで運び椅子に座らせましたが、今度はひきつけを起こし全身がつっぱっていて、支えていないとコンクリートの上に倒れてしまいそうで危険です。ドライバーが私に「マダムは彼を後ろから支えてくれ」と言います。え~ん、こわいよぉ~。 
そうこうしているうちに大量の水が功を奏したのかつっぱりも取れ、危険な状態は脱したようです。 少し意識がはっきりすると今度はチョキダールは「ママ~!!」と言いながら泣きじゃくり始めました。 チョキダール自身も自分は死んでしまうのかもという恐怖があったのでしょう。
ドライバーがチョキダールの派遣会社に電話をして彼を迎えにきてもらって、一件落着となりました。
今だから言えるけど、チョキダールがひきつけを起こした時、「もし死んじゃうなら、頼むからウチ以外の所で死んで!!」と心から思った、人でなしの私・・・。
by KURIinHK | 2004-07-22 10:16 | インド


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