今さらの感はあるけれど「セカチュー」を読みました。
正直な感想は・・・これのどこで泣くの? これの何がそんなにうけるの? 私に感受性が欠けるのか、最早ひねたものの見方しかできなくなったのか、とにかくこの物語で気持ちが揺れるシーンはありませんでした。 中学・高校という時代の恋をきれいにノスタルジックに書くのはたやすいことだし、ましてや女の子(しかも美少女)が純白なイメージのまま病気で死んでしまうなんて、ふた昔前の少女マンガで使い古されたプロットである(だから今のコには新しい??)。 おじいさんにしてもそうだ。 現世で結ばれることのなかった女性とせめて死んだ後にひとつになりたい・・・そういうおセンチな気持ちはまあよしとするにしても、そのために二人の骨を一緒に撒いて欲しいというのはなんともいただけない。 精神の結びつきを言っているくせに「骨」という具体的な物を媒介にしてしかそれが成し遂げられないと考えること自体がかなりお粗末な気がする。 このような、あまりにも単純なお涙ちょうだいストーリーが広く受け入れられるというのには、軟らかい食べ物ばかりを食べて現代人のアゴが弱くなっているという傾向に似たものを感じる。自分で考え、想像し、理解し、そして自分の中に取り込んでいかなければいけないようなストーリーを、咀嚼する力が弱くなっているのかもしれない。
by KURIinHK
| 2004-11-05 19:48
| 音楽・本・映画
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